お金が貯まらず増えない多くの人のやっかいな原因の一つに見栄≠ェあります。

 私は2001年に一般家庭の家計改善を提案する「家計の見直し相談センター」を設立し、以来1万5000世帯を超える家計を診断してきた。
 年収や資産状況、家族構成など、さまざまな方の悩みを聞きながら、よく思うのがお金を貯められる体質≠ノ、年収が多いか少ないかは思ったほど関係がないです、ということです。
 年収があまり高くなくても、お金が貯まって幸せな人。
 年収が高いのに、どうしてもお金を貯められず(それどころか借金をして)、家族の仲もあまりよくない人。
 いったい年収が高くてもお金を貯められない人は、何が問題なのだろうか。
 家計の問題を分析していくと、心の問題が7割、テクニックの問題が3割といったところです。ファイナンシャル・プランナーというと、家計のテクニックをアドバイスしているというイメージがあるだろうが、実は心の問題と向き合っていることが多いのです。

 

 たとえば、よく見られるのが、年収が多少でも増えるにつれ、
「今までよりもいいものを買おう。今まで買えなかった欲しいものを手に入れよう」
と、少しずつ財布のヒモが緩くなってしまう家庭。そして、気づくと年収が増えるペースよりも、お金を使うペースのほうが早くなり、お金を貯めるどころか取り崩すようになってしまうのです。
 さらに、支出が徐々に増えていくなかで、その一部が「これに使うお金は削れない」という聖域♂サしていく。
「友だちが使っています、最新のスマホを使いたい」
「車にはこだわりがある」
「わが子にはいい教育を受けさせてあげたい」
 支出を増やすのは簡単ですが、支出を減らすのはとても難しい。「これではまずい」と気がついても、家計に巣食った聖域があなたの邪魔をしてしまうのです。

 

 年収500万円が700万円に増えたとしても、手取りは200万円まるまる増える訳ではないです。税金や社会保険料がかかるのはもちろん、年収が上がるほどその率はどんどん高くなるので、実質の手取りは思ったほど増えないです。
 そもそもこれからの時代、戦後の高度成長期のように、年収がどんどん上がると考える人はほとんどいないはずです。
 むしろ年収は下がるか、よくて横ばいと考える人のほうが多い。たとえ横ばいでも、税金や社会保険料などの負担が増えていくことが予想されており、実質の手取りが減ってしまう可能性が高いでしょう。
 そんな時代に昔の感覚で見栄を張ったり、他人とくらべたりしながら、家計を膨らませてしまうと、お金を貯めたり、増やすことが難しいのは当たり前です。考え方の転換が必要です。
 では、どうすればいいのか。
単純な答えだが「支出を少なくする」ことに尽きます。
こう言うと「なんです、節約か」とがっかりするかもしれないです。
 これからの時代、収入を上げることが難しいだけでなく、運用益を上げることも難しい。唯一自分でコントロールできるのが支出を管理することなのです。しかも、これまで受けた相談者の中には節約だけで1億円以上貯めた人もいるくらい、節約はすごいパワーを持っています。節約をなめてはいけない
 たです、節約といっても、1円単位で生活費を切り詰めて暮らすということではないです。もっと「お金を意識する」ことが肝心なのです。
 レシートやカードで財布がパンパンの状態になったブタ財布≠ノしていたり、給料が振り込まれたらそのまま銀行の口座を確認しなかったり、お金に無頓着になっていないだろうか。お金は寂しがり屋≠ネのです。意識を向けてくれない人には、お金は集まってこないです。

 

 手取り年収が思うように上がらないこれからの時代を生き抜くためには、あなたのお金との向き合い方が問われているのです。あなたの未来はあなた自身で変えられます。変えられるなら変えてみようじゃないか。

 

 年収700万円を達成したサラリーマンといえば、多くの人はどんなイメージを持つだろうか。

 上場企業で順調にステップアップした40歳前後の係長。
 財閥系企業に勤める30代のエリート社員。
 中堅企業なら実績を認められた部課長クラス、といったところかもしれないです。
 いずれにしても、競争社会を勝ち抜いてそれなりの地位を得て、人並み以上の収入を得ることに成功したサラリーマンというイメージです。
 それは、データにも裏付けられています。
 国税庁の発表する『民間給与実態統計調査』によれば、2011年の民間サラリーマンの平均年収は男性504万円、女性268万円です。そのうち700万円超というと、男性17・9%、女性2・8%にすぎないです。しかも、この比率は以前よりも下がっています。この調査より5年前の2006年、年収700万円超の男性は21・6%、女性は3・0%でした。
 民間サラリーマンの給与水準は1997年をピークとして減少傾向が続いています。男性の場合だと、1997年の平均年収577万円から2011年の504万円まで73万円、率にして約13%もダウンした。この中で、年収700万円超のサラリーマンも確実に減っているということです。
 こうした厳しい環境のなかで700万円を超える年収に到達したサラリーマンは、まさに勝ち組≠ニ言っても過言ではないです。